COLUMN — 会社紹介動画の尺

会社紹介動画は30秒で何を伝える?
構成と1分版との使い分け

2026.10.13 / 株式会社Atacama

30秒の会社紹介動画は、会社を説明する動画ではなく、「この会社をもう少し見てみたい」と思ってもらうための動画です。 入れられるのは、伝えたいことの1つだけ。事業の説明や沿革は、長い版や採用サイトに任せます。

「3分の動画はあるので、SNS用に30秒のものも欲しい」というご相談はよくいただきます。 そのとき最初にお伝えするのが、30秒版は3分版を縮めたものではなく、別の動画として組み直すということです。 この記事では、30秒に何が入るのか、どう並べるのか、1分版とどう使い分けるのかを、順番にご紹介します。

30秒は、長い?短い?

見る人の感覚では、30秒は「長い」側に入りつつあります。 シチズン時計が働く20代以上の男女400人に聞いた調査では、動画広告を「長い」と感じる時間で最も多かった答えが「30秒」で39.5%でした。 30秒以下を挙げた人を合わせると、8割を超えています(熊本日日新聞 2026年6月9日の記事より)。

ここで言う「長い」は、自分から選んで見ていない動画の話です。 つまり、SNSのタイムラインや広告枠に流れる30秒は、最後まで見てもらえる前提で作ってはいけない長さだということです。 一方で、興味を持った人が自分から再生する場所では、事情が変わります。 それが次の「使い分け」の話です。

30秒と1分、どこで使い分ける?

判断の基準は、見る人が自分からその動画を選んだかどうかです。 選んでいない人には短く、選んだ人には少し長く。置き場所ごとの目安をまとめると、こうなります。

置き場所目安の長さ動画の役割
SNS広告・タイムライン15〜30秒指を止めてもらう。社名を覚えてもらう
展示会のブース30秒〜2分通りがかりの人に足を止めてもらう。くり返し流す
採用サイト・会社サイトのトップ1分前後興味を持った人に、雰囲気と人を伝える
会社説明会・商談3〜5分事業・人・これからを、まとめて理解してもらう

展示会については、アルファノート株式会社が展示会で動画を使っている担当者200名に聞いた調査があります。 上映している動画の長さは「1分〜2分未満」が37.5%で最多、「30秒〜1分未満」が32.0%で続きました (2026年7月調査、PR TIMES)。 ブースの前を通る数秒で目を引き、立ち止まった人には少し長く見てもらう。その両方を狙うと、このあたりの長さに落ち着くのだと思います。

採用の場面でも、似た傾向があります。 moovyの調査では、まだよく知らない企業の動画なら「30秒以上1分未満」がちょうどいいという答えが最も多く、 志望度が高い企業なら「1分以上」が最も多くなっていました。 詳しくは採用動画のトレンド【2026年版】でご紹介しています。

30秒に、どれくらいの量が入る?

思っているより、ずっと少ないです。 ナレーションを入れる場合、聞き取りやすい速さで読むと、30秒で入る原稿はおよそ150字。1秒に5文字ほどのペースです。 しかも、最初の数秒は画で引きつける時間なので、実際に言葉で伝えられるのはさらに少なくなります。

なので、30秒版で入れるのは「この会社といえば、これ」という1つだけです。 創業年、事業の数、拠点、福利厚生、社長の想い。全部大切ですが、全部入れると、どれも残りません。 3分版の構成でいえば、30秒版に入るのはつかみと結論だけです (3分版の並べ方は会社紹介動画の構成テンプレートにまとめています)。

何を1つ選ぶかで迷ったら、「その会社の人がいちばん楽しそうに話すこと」を選ぶのがおすすめです。 撮影の打ち合わせでいろいろ質問していると、急に声が大きくなる話題があります。 30秒で伝わるのは、たいていそこです。

30秒版の構成は、どう並べる?

当社で30秒版を組むときの、秒数ごとの並べ方です。 きっちりこの秒数でなくてもかまいませんが、4つの役割の順番は崩さないほうがうまくいきます。

秒数役割入れるもの
0〜3秒つかみいちばん「見たことのない」画。社名やロゴから始めない
3〜15秒現場仕事をしている人の手元と表情。場面は1つか2つに絞る
15〜25秒一言社員の短い言葉、または数字を1つ。ここが「伝えたい1つ」
25〜30秒次の行き先社名と、続きが見られる場所(採用サイト・長い版の動画など)

いちばん多い失敗は、最初にロゴと社名を出してしまうことです。 会社としては名前を覚えてほしいので自然な気持ちなのですが、まだ興味を持っていない人にとっては、ロゴは「広告だ」と気づく合図になります。 社名は最後でも、ちゃんと残ります。

もう1つ、SNSに出す場合は、音を消したままでも意味が通るかを必ず確かめてください。 タイムラインでは音を出さずに見る人が多いので、社員の言葉にはテロップを入れます。 テロップの入れ方はインタビュー動画の編集でも詳しく書いています。

3分版から切り出すとき、何でつまずく?

すでに3分版がある場合、そこから30秒版を作るのがいちばん効率的です。 ただ、そのまま短く切り詰めるだけだと、たいていうまくいきません。よくあるつまずきは3つです。

1つ目は、話がつながらなくなること。 3分版はナレーションや社員の話の流れでカットがつながっているので、途中だけ抜くと「何の話?」になります。 30秒版は、同じ素材を使いながら、構成を一から組み直すものと考えてください。

2つ目は、縦の画面にすると顔が切れること。 横長で撮った映像をスマホの縦長に合わせると、左右がかなり削られます。 2人が並んで話している場面などは、どちらかが画面から外れてしまいます。 当社では、30秒版や縦型の動画も作ると分かっている場合、撮影の段階で縦でも使える画を別に押さえるようにしています。

3つ目は、社長のあいさつを残そうとすることです。 3分版では大切な場面ですが、30秒の中に入れると、それだけで半分近くが埋まってしまいます。 社長の想いは、30秒版を見て興味を持った人が、長い版でしっかり受け取れるようにしておくのがいいと思っています。

だからこそ、30秒版はあとから考えるより、3分版と同じ撮影日に一緒に設計するほうが得です。 撮り直しがいらず、縦用の画も最初から押さえられます。 ショート動画を続けて出していく場合の考え方は、SNSショート動画を100本作ってわかったことや、 採用向けなら採用ショート動画の始め方も参考になると思います。

費用はどのくらい?

当社の価格です。すべて税別で、交通費は実費のみ別途です。

  • 5万円〜 — 撮影済みの素材や3分版の素材から、30秒・1分版を作る場合
  • 20万円〜 — 撮影から30秒〜1分の動画を作る場合(ライトプラン)
  • 35万円〜 — 3分前後の会社紹介動画(スタンダードプラン)。同じ素材からの短縮版は5万円〜で追加できます

いちばん費用を抑えられるのは、長い版と短い版を同じ撮影日でまとめて作る形です。 「すでにある動画を短くしたい」「30秒と1分の両方が欲しい」など、組み合わせはご相談に合わせて考えます。 ぜひ一度お問い合わせください。費用の内訳は採用動画の費用相場で詳しく書いています。

よくある質問

Q. 会社紹介動画は30秒と1分、どちらがいいですか?
置き場所で決まります。SNSや広告のように、見る人が自分から選んでいない場所なら30秒以内。展示会や採用サイトのように、少し興味を持った人が見る場所なら1分前後が向いています。30秒で全部を伝えようとせず、続きは長い版に任せる前提で作るのがおすすめです。

Q. 30秒の会社紹介動画だけを作ることはできますか?
できます。ただ、30秒版は「もう少し見たい」と思ってもらう入口の役割なので、見た人が次に行く先(採用サイトや3分版の動画など)があると力を発揮します。行き先がまだない場合は、同じ撮影日で長い版の素材も押さえておくと、あとから作り直さずに済みます。

Q. 3分の会社紹介動画を30秒に切り詰めればいいですか?
切り詰めるだけだと、うまくいかないことが多いです。3分版はナレーションや話の流れでカットがつながっているので、短くすると意味が通らなくなります。30秒版は、同じ素材を使いながら構成を一から組み直すものと考えてください。

まとめ: 30秒で伝えたい「1つ」を、1行で書いてみる

30秒の動画づくりで最初にやることは、撮影でも編集でもなく、「この会社といえば、これ」を1行で書き出すことです。 1行にならないうちは、30秒にも収まりません。 書き出してみて迷ったら、その迷いごと聞かせてください。どれを選ぶか、一緒に考えます。 会社紹介動画や採用動画の作り方は採用動画のページにもまとめています。

文: 株式会社Atacama 代表取締役 阪口直哉(採用プラットフォーム出身。マーケティング・営業を経て映像制作へ)

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