COLUMN — 社員インタビュー動画

社員インタビュー動画の作り方。
質問例20個と撮影のコツ

2026.09.06(2026.09.08更新) / 株式会社Atacama

「仕事のやりがいを教えてください」 カメラを向けてこう聞くと、返ってくる答えはだいたい決まっています。 「お客様に喜んでもらえたときです」。嘘ではありません。ただ、他社の動画でも聞いた答えです。

社員インタビュー動画の出来は、機材でも編集技術でもなく「誰に・何を聞くか」でほぼ決まります。 人選と質問の設計を先に固めておけば、撮影自体は2〜3時間で終わります。 この記事では、実際の撮影で使っている質問リストと当日の進め方を、順番にご紹介します。

なぜ「やりがいがあります」で終わってしまうのか?

原因は2つあります。質問が抽象的すぎることと、その場で初めて考えさせていることです。

抽象的な質問には、抽象的な答えしか返ってきません。 「社風は?」と聞けば「アットホームです」、「やりがいは?」と聞けば「お客様の笑顔」。 社員さんの語彙の問題ではなく、質問の作りの問題です。 加えて、カメラの前は思っている以上に緊張します。 当社の撮影では最初の10分は使わない前提で回し、 休みの日の話など答えに正解のない質問から始めます。本題に入るのはそのあとです。

誤解されやすいのですが、台本をゼロにするわけではありません。 一日密着の動画でも同じで、 「求職者に何が伝わればいいか」を先に決めてから、それが伝わる質問と場面を設計します。 決めるのは要件で、答えの中身は本人の言葉です。

そこまでするのは、この動画が単体で見られていないからです。 moovyが2026年5月に実施した調査(直近1年で就職・転職をした20〜40代333名)では、 比較検討の段階で採用動画を見たという人が61.0%。 他社と並べて見られる前提だと、どこかで聞いた答えは記憶に残りません。 (出典: 株式会社moovy「採用動画トレンド調査2026」2026年5月22日〜29日実施)

誰に出てもらう?人選で半分が決まる

社長から「うちで一番しゃべれるやつを出す」と言われることがあります。 気持ちは分かるのですが、滑らかすぎる話し方は採用パンフレットの朗読に見えてしまいます。 当社が人選をご相談されたときに出す基準は3つです。

  • 入社2〜4年目の社員。求職者が知りたいのは会社の頂点ではなく「3年後の自分」です。表彰されるようなエース社員は、参考にするには遠すぎます。ひと通り仕事を覚えて、まだ入社前の記憶が残っている年次がちょうどいいです
  • 応募者と同じ入口から入った社員。中途採用の動画なら中途入社の人、新卒採用なら新卒入社の人。「未経験から入った」ことが伝わるかどうかで、応募のハードルが変わります
  • 何より、仕事に本気で向き合っている人。ここが一番大事です。話せることももちろん大事なのですが、優先順位はこちらが上です。本気でやっている人は、聞けば具体的なエピソードが出てきます。「去年の夏の現場で」「あのお客さんに言われた一言が」と、勝手に固有名詞が出る。逆に、話が上手でも仕事への熱がない人は、きれいなだけで中身のない言葉になります。求職者はそこを見抜きます

しゃべりが多少苦手でも、仕事に本気の人なら、こちらの聞き方と編集でどうにでもなります。 次に書く「深掘り」は、そのためのやり方です。 逆に、熱のない人からいい言葉を引き出すのは、聞き方でも編集でも無理でした。

人数は2〜3人が扱いやすいです。1人だと会社の空気までは伝わりません。 5人を超えると1人あたりの尺が短くなり、全員が同じことを言っているように見えます。 年次や職種はばらけさせてください。新入社員が入社前に不安に思うことの1位は人間関係です。 誰と働くのかが分かる状態にしておくと、応募の前段階で不安がひとつ減ります。

どんな質問をする?そのまま使える質問例20個

質問は思いついた順に並べるのではなく、3種類に分けて設計します。

  • クローズドクエスチョン — 「はい/いいえ」や一言で答えられる質問。助走に使う
  • オープンクエスチョン — 自由に語ってもらう質問。ここが素材の本体になる
  • 深掘り — 相手の答えに重ねる質問。動画の良し悪しはここでほぼ決まる

この順に使います。そしてその手前に、カメラを回す前のアイスブレイクがあります。順に書きます。

0. アイスブレイク(質問の前にやること)

名刺交換をして、機材を組んで、はい始めましょう。これをやると、まず固まります。 当社は必ず5〜10分、何でもない話をしてから入ります。 このときのコツは、こちらが先に自分の話を少しすることです。 いきなり質問を並べると、面接か尋問の空気になります。 「今日、道が混んでて焦りました」くらいの話で構いません。

  • 今日は何時に起きましたか
  • 休みの日は何をしていますか
  • この撮影のこと、家で話しました?

カメラは回しておいてください。使わない前提で回すのですが、 ここでいちばんいい表情が出ることがあります。実際、雑談中の笑顔をサムネイルに使ったことが何度かあります。

1. クローズドクエスチョンで助走する

緊張していても答えられる質問から入ります。考えなくていいので、口が動き出します。 同時に、あとの深掘りの足場になる事実をここで固めます。

  • 入社して何年目ですか
  • この仕事は未経験からでしたか
  • 就職(転職)活動のとき、何社くらい見ましたか
  • 今日は朝から現場でしたか

ただしクローズドだけで進めると、「3年目です」「はい」で会話が止まります。 あくまで助走と割り切って、3〜4問で次に移ります。

2. オープンクエスチョンで語ってもらう

ここが素材の本体です。ポイントは、オープンにしすぎないこと。 「やりがいは?」「社風は?」は範囲が広すぎて、抽象語が返ってきます。 「最近」「昨日」「1つ」と範囲を絞ると、具体的な話になります。

入社前のこと(求職者が自分と重ねやすい部分です)

  • この会社を知ったきっかけは何でしたか
  • 入社の決め手は何でしたか。他に迷った会社はありましたか
  • 入社前に不安だったことはありますか

今の仕事のこと(「どんな仕事ですか」とは聞きません。1日の流れのほうが働く姿が浮かびます)

  • 昨日1日、朝から順番に何をしていましたか
  • この仕事で、一番時間を使う作業は何ですか
  • 最近「うまくいった」と思った出来事を1つ教えてください
  • 逆に、最近困ったこと・失敗したことを1つ教えてください
  • できるようになるまで、どのくらいかかりましたか

「失敗」は飛ばされがちですが、入社後のギャップを減らすには一番効く質問です。 きれいな話だけの動画は、見ている側にも「都合のいいところだけだ」と伝わります。 公開するかどうかは編集段階で決められるので、撮るだけ撮っておくことをおすすめします。

人と職場のこと

  • 分からないことがあったとき、誰に聞いていますか
  • 上司はどんな人ですか。一言で言うと
  • お昼は誰と、どこで食べていますか

地味ですが、社内の距離感が一番出るところです。 「隣の先輩にすぐ聞きます」なのか「一度持ち帰って翌日聞きます」なのかで、職場の様子が変わって伝わります。

締め

  • 入社前の自分に一言かけるとしたら、なんと言いますか
  • どんな人と一緒に働きたいですか

3. 深掘りで、はじめて使える言葉になる

ここが一番大事です。一問一答で終わらせると、どれだけ質問を用意しても薄い素材にしかなりません。 オープンクエスチョンの答えは、たいてい1回目は要約された言葉で返ってきます。 そこに重ねて、具体的な場面まで降ろします。実際のやりとりで書きます。

—— 入社の決め手は何でしたか
「人の雰囲気ですね」
—— 雰囲気がいいなと感じたのは、どの場面でしたか
「面接の帰りですね。案内してくれた社員さんが、エレベーターまで一緒に来てくれて。 『緊張したでしょ』って笑ってくれたんですよ」
—— そのとき、どう思いましたか
「ちゃんと人を見てる会社なんだな、と思いました。正直、他社ではそこまでされなかったので」

「人の雰囲気」は、どの会社の動画でも聞く言葉です。 でも「エレベーターまで一緒に来てくれた」は、その会社にしかない話になります。 使えるのは後者だけです。深掘りの型は4つ覚えておけば足ります。

  • 「具体的には、どの場面でしたか」 — 抽象語が出たら、いつ・どこで・誰との話に降ろす
  • 「たとえば、直近だといつですか」 — 「よくあります」と言われたら、1回の出来事に絞ってもらう
  • 「そのとき、どう思いましたか」 — 場面が出てから感情を聞く。順番を逆にしない
  • 「なぜ、そう思ったんですか」 — 理由まで言えている言葉は、聞いた側にも残ります

そのほかの聞き方のコツ

  • 同じことを、言い方を変えて2回聞く。1回目は用意してきた答えが出ます。2回目のほうが自分の言葉になります。しつこく感じさせないよう、間に別の質問を挟んでから戻ります
  • 質問を含めた形で答えてもらう。「昨日は何を?」→「昨日は、朝から現場に出て…」と返してもらえば、質問の音声をカットしても文が成立します。編集の自由度が大きく変わります
  • 質問リストは全部渡さない。全部渡すと安心してもらえる代わりに、答えが用意されたものになります。当社はテーマ(入社前・仕事内容・職場のこと)だけ先にお伝えして、細かい質問は当日にしています

撮影当日はどう進める?構図・音・時間

所要時間は1人30〜40分。3人なら仕事風景の撮影を含めて2〜3時間です。 全員を同時に待たせるのではなく、順番に呼んでいただく形にすれば、業務はほぼ止まりません。

構図で最初に決めるのは、カメラ目線にするかどうかです。 求職者に語りかける形にしたいなら目線を合わせます。ドキュメンタリー寄りなら、少し外します。 当社は外すことが多いです。カメラではなく人の顔を見て話すほうが、表情がやわらぐからです。 背景は白い壁を避けて、奥行きのある場所を選びます。壁の前に座らせると証明写真に近づきます。

は、自社で撮る場合に一番失敗が多いところです。 エアコンの送風、蛍光灯のノイズ、窓の外の車。撮影中は気にならないのに、編集で聞くとはっきり乗っています。 しかも後から完全には消せません。襟元にピンマイクを付けるだけで結果が変わります。 会議室なら撮影の間だけエアコンを止めさせてもらってください。 社内で撮る場合、機材をひとつだけ用意するなら外付けマイクです。

服装は普段のままで大丈夫です。作業着でも制服でも構いません。 撮影のためにスーツに着替えると、職場でのその人の姿から離れてしまいます。

撮ったあとの編集(テロップを全文字幕にするか、BGMのライセンス、1本の尺)は、 インタビュー動画の編集に分けて書きました。 出演をためらう社員さんがいる場合の進め方は、 顔出しを嫌がるときの始め方をご覧ください。

費用はいくら?

採用動画の一般的な相場は30万〜120万円(税別)です。 企画の重さ、撮影日数、クルーの人数で幅が出ます。当社の価格帯はこうなっています。

  • 5万円〜 — 素材編集・ショート動画(自社で撮影した素材の編集のみ)
  • 20万円〜 — 社員インタビュー+仕事風景の1本(完成尺1〜2分、撮影2〜4時間)
  • 35万円〜 — 複数名のインタビューを含む会社紹介動画(完成尺3〜6分)

※すべて税別。安く見えるのは品質を削っているからではなく、1〜5名の少人数体制で動いているからです。 費用の内訳の考え方は採用動画の費用はいくら?、 大阪で頼む場合の会社選びは大阪で採用動画を制作するならに書きました。 社内にカメラがあって撮影までは自分たちでできる会社さんもあります。 その場合は編集だけでも構いませんので、ぜひ一度お問い合わせください。

よくある質問

Q. 台本は用意しますか?
一言一句の台本は作りません。ただし、何も決めずにカメラを回すこともしません。伝えたい要件を先に決めて、それが伝わる質問と場面を設計します。答えの中身は社員さん本人の言葉です。

Q. 撮影は何時間かかりますか?
1人あたり30〜40分が目安です。3人に出てもらう場合、仕事風景を含めて2〜3時間で収まります。順番に呼んでいただく形なので、業務は止まりません。

Q. 社員が緊張して話せないときは?
撮影前に5〜10分のアイスブレイクを必ず入れます。こちらが先に自分の話を少しするのがコツです。そのあとクローズドクエスチョンで助走してから、オープンクエスチョンに移ります。同じことを言い方を変えて2回聞くのも有効です。2回目のほうが自分の言葉になります。

Q. 自社で撮影して、編集だけ頼めますか?
できます。5万円〜(税別)でお受けしています。ただし音声だけは外付けマイクで録っておいてください。ノイズの乗った音は編集で元に戻せません。

まとめ: まず1人に、1問だけ聞いてみてください

制作会社を探す前にできることがあります。 入社2〜4年目の社員を1人思い浮かべて、「入社の決め手は何だった?」と聞いてみてください。 その答えが具体的なら、そこが動画の芯になります。 言葉に詰まるようなら、まだ会社側が伝えきれていない部分があるということです。どちらでも収穫があります。

撮ったインタビューを会社紹介動画の中に組み込むなら、置く位置で伝わり方が変わります。 全体の並べ方は会社紹介動画の構成テンプレートにまとめました。 企画から撮影・編集までの進め方は採用動画のサービスページにあります。

文: 株式会社Atacama 代表取締役 阪口直哉(採用プラットフォーム出身。マーケティング・営業を経て映像制作へ)

社員インタビュー動画のご相談は、お気軽にどうぞ。

ご相談・お見積もりは無料です。まずはお気軽にどうぞ。

無料で相談する